WHOは11月20日に新型コロナウイルスに対する治療薬「レムデシビル(製品名:ベクルリー)」について、「入院患者の生存率やその他の転帰を改善するというエビデンスは存在しない」として入院患者に対する投与を推奨しないとガイドラインに追加しました。
※ミクスOnlineの記事より一部を内容に変更がないように改変して引用
それに対して、米ギリアド社は米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のACTT-1試験でレムデシビルの投与により、プラセボに比べて5日早く回復したとのデータを示し、ピアレビューされた「The New England Journal of Medicine」に論文が掲載されているとし、エビデンスが存在することを強調しました。
日本国厚生労働省は、「承認時に根拠にした治験のデータが否定されたわけではないうえ、有効性がないという結果でもないため、承認について見直す予定はない」としています。
また、加藤官房長官は閣議の後の記者会見で、指針について
「レムデシビルの効果がないとまでは証明されておらず、また、レムデシビルに効果があるとする十分なエビデンスもないという説明などが記載されている」と述べました。
そのうえで
「日本ではアメリカでの緊急使用許可を契機に、複数の臨床試験の結果から一定の有効性が確認できたことから、5月に特例承認を行い、現在、レムデシビルを使った治療がなされている。厚生労働省では特段、承認について見直す必要はないというのが、現時点での認識だと承知している」
としました。
-関連リンク-
WHOガイドラインに関するギリアド・サイエンシズからの公開状(米ギリアド社のWHOの指針に対する反論)
本記事は、WHO(World Health Organization)の公表したガイドライン及び米ギリアド社が公表したWHOに対する意見、厚生労働省の記者会見・公表資料、ミクスOnline様の記事より引用し作成しました。